Case 1
※守秘義務の観点から、掲載にあたり依頼主様が特定できないよう、
また依頼主様及び発行会社の利益を損うおそれがないよう実際の事例を一部加工しております。
会社の概要(Z社) | |
---|---|
事業内容 | システム受託開発 |
設立 | 1980年 |
従業員数 | 100人 |
業績・財務状況 | 年商 30億円 利益水準 0.5~1億円の範囲で推移 純資産 13億円 現預金 5億円 |
株主構成 | ||
---|---|---|
株主 | 属性 | 持分比率 |
Aさん | 現社長 | 70% |
Bさん ※依頼者 | 元専務 | 30% |
(1)システム受託開発を行うZ社の事例です。現社長のAさんと、元専務のBさんの二人で創業し、順調に業績を伸ばしてきたが、経営方針の違いからAさんとBさんが対立し、最終的にBさんは会社を退職してしまいました。Bさんが退社したあともZ社の業績は好調で、会社の資産も積み上がっています。
(2)数年前に体調を崩し、今年70歳になるBさんは、Z社の株式の相続税が高額になってしまうことが気になり始めました。
そこで、保有している30%の株式を買い取ってもらおうと、まず社長のAさんに相談しましたが、もともと喧嘩別れした間柄ということもあり、取り合ってもらえません。
Aさんが取り合ってくれる日を大人しく待っていても埒が開かないと考えたBさんは、弁護士を雇って交渉に乗り出します。するとAさんは態度を硬化させ、ますます交渉に応じなくなってしまいました。
(3)株式の売却を思い立ってから1年が経過しましたが、相変わらずAさんが交渉に応じる気配はありません。そのあいだ、売却先としてAさん以外にも声を掛けようと試みましたが、打診先に複数の選択肢があるわけでもなく、条件面で合意できる買い手も見つかりませんでした。弁護士からの紹介で、弊社に来られたBさんはかなり落ち込んだ様子でした。
(1)Z社の業績は良く、利益もしっかり出ています。また無借金で、現預金も5億円あり、財務内容も良好です。一方で、特別決議の拒否権を持たない少数株式(持分比率3分の1未満)であること、株主同士が揉めていることはディスカウント要因となります。
これらを踏まえ、買い取ってくれる対象を探した結果、業界に精通するY社が買い取りの意向を示しました。買取条件もBさんが十分満足いくものだったので、BさんとしてはY社に売却したいと考えました。
(2)Z社の株式には譲渡制限が付されていたので、譲渡承認請求を行う前に、社長のAさんとY社を引き合わせ、Y社の概要と株主になった場合に想定するZ社への関わり方(会社の成長に寄与したい旨)など、丁寧に説明。そのうえで、Y社を譲渡先とする譲渡承認請求をZ社に行いました。
(3)結果的に譲渡承認請求は承認され、Bさんは保有する30%の株式をY社に売却することができ、売却額も想定していた額を大きく上回るものになりました。
(4)その後、新しい株主のY社はZ社と良好な関係を保っています。事業に関する高い見識を持ち、経営者と対等に対話できるY社が、中長期的な視点からZ社の成長をサポートしてくれると期待しています。また、依頼者のBさんにとっては、1年間悩んだ案件でしたが、最終的に満足いく条件で応じてくれる買い手が見つかり非常に喜んでいただきました。
Case
1
半ば諦めていたが、本人の希望より
高く売却できた事例
Case
2
譲渡承認請求をしたら、発行会社が
買い取ると言い出した事例
Case
3
具体的な買い手を見つけてきたら、
発行会社がすぐに買い取ると
言い出した事例