Case 2
※守秘義務の観点から、掲載にあたり依頼主様が特定できないよう、
また依頼主様及び発行会社の利益を損うおそれがないよう実際の事例を一部加工しております。
会社の概要(X社) | |
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事業内容 | 化学原料の製造・販売 |
設立 | 1970年 |
従業員数 | 150人 |
業績・財務状況 | 年商 50億円 利益水準 3億円 総資産 50億円 純資産 35億円 現預金 12億円 |
株主構成(34名) | ||
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株主 | 属性 | 持分比率 |
Cさん | 社長 | 34% |
Dさん | Cさんの妹 / X社の従業員 | 20% |
Eさん ※依頼者 | Dさんの夫 | 3% |
取引銀行 | 3% | |
取引銀行 | 3% | |
生命保険会社 | 3% | |
その他(個人28名) | 34% |
(1)化学原料の製造販売を営むX社の事例です。120年を超える歴史のある企業で、安定した需要に支えられ業績は堅調に推移しています。株主構成は、現社長のCさんが34%、その妹のDさんが20%の株式を保有しています。その他、取引銀行などを含め、30名を超える株主に株式が分散している状況です。依頼主であるEさん(Dさんの夫)も3%の株式を保有しています。
(2)社長の妹であるDさんはX社の従業員として働いていますが、夫であるEさんはX社の経営には全く関与していません。配当があるわけでもなく、EさんからするとX社の株式を保有しているメリットが全くありません。そのため、かねてから妻のDさんに「お義兄さんのCさん(もしくはX社)に、株式を買い戻すよう伝えてくれ」と打診していました。
しかし、Dさんが兄であるCさんに買い取りの話を持ちかけても、のらりくらりかわされてしまい、状況は一向に進展しません。しかもDさんは、自身がX社に雇用されていることもあり、X社の社長であるCさんに強く買い取りをお願いすることもできません。
(3)いよいよしびれを切らしたEさんは、弁護士を雇ってCさんに買い取りを打診することにしました。すると、CさんからDさんに、一本の電話が入りました。
「Eさんの顧問弁護士と名乗る人物から連絡があったが、一体どういうことだ!」完全に怒っています。これを機に、義理の兄弟の関係にあるCさんとEさんの対立が鮮明となりました。
(4)事態をさらに悪化させたのは、Eさんの顧問弁護士が少数株主権を行使して、取締役会議事録や会計帳簿などの閲覧謄写請求を行い、会社のことを調べ始めたことです。会社のことを細かく調べたうえで、株主総会で「取締役会の運営手続きに、会社法上の瑕疵がある」、「経営陣の役員報酬が高額で、交際費も使っている一方で、配当が行われないのはなぜか?」など、株主の立場から問題提起や質問をしたため、CさんとEさんの仲はいっそう険悪になってしまいました。
(1)社長のCさんと妹の夫Eさん(3%)の関係がかなりこじれた状態で、Eさんの顧問弁護士から弊社に連絡がありました。
「配当もなく、3%の少数株式なので難しいと思うが、買い手を見つけてほしい」という依頼でした。
(2)X社は、派手さはありませんが、財務状況は健全で、底堅い需要に支えられ業績も安定しています。いくつかの買い手候補に打診したところ、業界に豊富な知見を有するV社が関心を示しました。買取条件もEさんの希望に適っていたので、EさんはV社に売却したいと考えました。
(3)そこで、Eさんが保有する株式をV社に売却したい旨、X社に対して譲渡承認請求を行ったところ、Cさんから「自社(X社の関連会社)でEさんの株式を買い戻したい」との連絡がありました。買取条件もEさんの希望に適っていたため、会社の指示通りX社の関連会社に譲渡することになりました。
Case
1
半ば諦めていたが、本人の希望より
高く売却できた事例
Case
2
譲渡承認請求をしたら、発行会社が
買い取ると言い出した事例
Case
3
具体的な買い手を見つけてきたら、
発行会社がすぐに買い取ると
言い出した事例