非上場企業の少数株式の流動化支援、株主構成・資本政策の課題解決

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非上場企業の少数株式の流動化支援、株主構成・資本政策の課題解決

Case 4

発行会社とのあいだで
どうしても買取条件が
折り合わなかった事例

※守秘義務の観点から、掲載にあたり依頼主様が特定できないよう、
また依頼主様及び発行会社の利益を損うおそれがないよう実際の事例を一部加工しております。

会社の概要(T社)
事業内容精密機器メーカー
設立1947年
従業員数700人
業績・財務状況年商 350億円
利益水準 25億円
総資産 200億円
純資産 110億円
現預金 30億円
株主構成(50名)
株主属性持分比率
従業員持株会38%
個人創業家株主8%
生命保険会社5%
個人創業家株主4%
Fさん ※依頼者創業家株主3%
その他(個人、法人45名)42%

事例の背景

「上場をめざす」と言いながら動きが見えない
発行会社に業を煮やした株主

(1)創業75年の食品メーカーT社の事例です。従業員700名、売上高350億円、利益もしっかり出ており、規模、経営状況ともに上場していてもおかしくないほど立派な企業です。しかし、上場はしておらず、プライベートカンパニーとして事業を続けています。

筆頭株主は、従業員持株会(38%)で、そのほか銀行や取引先など親族以外も株式を保有するなど、長い歴史の中で株式は50人ほどに分散しています。

(2)本事例の依頼者なった創業家株主のFさんも、3%しか保有していない少数株主の一人です。Fさんは、T社の経営陣が以前から「将来的には上場を目指す」と公言していることを信じ、その実現を期待して株式を保有し続けてきました。しかし、上場するためには、証券会社の引受審査、証券取引所の審査など、大きな労力と時間がかかり、口で言うほど簡単ではありません。

(3)T社がどこまで本気で上場を目指していたかはわかりませんが、Fさんとしては、いつまで経っても上場に向けた動きが見えないT社に業を煮やし、自身の年齢も考慮して「このタイミングで売却したい」と考えたのです。会社側も交渉には応じてくれますが、どうしても価格面で両者に開きがあり、折り合わないまま、3年が経過していました。

事例の経過と結果

社内相場の3倍の価格での買い取り要求には
応じられず…

(1)当初、FさんがT社に対して提示した買取希望価格は、1株3,000円でした。T社の純資産額を持株比率で換算すると、その金額は妥当そうではありますが、T社としても解散価値に相当する純資産価格で売買に応じることはできません。

(2)実際、T社の従業員持株会に加入している社員が退職する際、T社は持株会規約に基づき1株1,000円で買い戻してきました。その3倍に相当する金額で買い戻すことは創業家株主とはいえ社内で説明がつきません。また、仮に今回、Fさんの要求に応えてしまうと、これまでの1株1,000円といった社内相場が崩れてしまい、将来的に多額のキャッシュが流出するリスクがあり、どうしてもFさんからの要求に応えられずにいました。

発行会社と交渉を続けても事態が進まないと考えたFさんは、自身の顧問弁護士に相談し、その弁護士を通じて弊社に相談がありました。

(3)“超”がつくほど優良企業ということもあり、少数株式ではありましたが、複数の企業から買取意向が示されました。結果的に、上場支援なども行うコンサルティング会社のS社が選定されました。Fさんが当初T社に対して提示した買取価格には届きませんでしたが、Fさんも納得の条件で売却することができました。Fさんも、「3年間結論が出ず、モヤモヤしていました。こんなにスピーディーに納得の条件で売却できるなら、もっと早く第三者の買い手を探せばよかった」と売却結果に納得されていました。