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2020年5月28日

第三セクターの株式は、売却できる?

国や地方公共団体が経営する公的な企業や、民間企業などの私企業とは異なる法人を第三セクターと呼びます。今回は、第三セクターの株式の売却について説明します。

1 第三セクターとは何か

1-1 第三セクターが増えた背景

一般的に第三セクターとは、国や地方公共団体(第一セクター)が民間企業(第二セクター)と共同出資を行い設立した、一般社団法人や一般財団法人(公益社団法人及び公益財団法人を含む)、会社法法人などの各種法人を指します。

第三セクターは、都市開発や水道事業、産業廃棄物処理などの公共性の高い事業に、民間企業が持つ資金や人材などを導入する民間活用策の一つとして活用されてきました。1980年代後半以降、政策的に日本各地で地域振興などを目的とした第三セクターが数多く設立されてきました。

特に、日本国有鉄道およびJR各社で赤字となっていたローカル線を引き受ける事業において活用された第三セクター鉄道がきっかけとなり、第三セクターは多くの人に知られることになりました。

1-2 第三セクターでは株主による監視が機能しにくい

しかし、近年では多額の債務を抱え破綻する第三セクターが続出しています。東京都や大阪市が進めていた臨海開発事業に関連する第三セクターはその代表格です。また、北海道の夕張市など市の財政破綻に第三セクターの赤字が関係していたケースもあります。

第三セクターは、民間の活力を取り込むことが意図されていたため、国や地方公共団体だけでなく、民間の株式会社からも出資を受けています。それに伴い、大きく2つの課題が存在しています。

・まず、出資を行った会社(投資家)は、政策的な意味合いで出資している場合が多く、またほとんどのケースで少数持分での出資にとどまるため、第三セクターの経営への関与は極めて限定的なものとなっています。

・さらに、第三セクターの株式は流動性が乏しいため、一度出資したら保有し続けるしかなく、結果的に出資を行った会社(投資家)の資本効率が低下するリスクがあります。

このように、第三セクターでは株主の監視が十分に機能しているとは言えず、コーポレートガバナンス上の問題があると同時に、流動性リスクが高いため、出資を行った会社(投資家)の資本効率を低下させる可能性も極めて高いです。こうした現状を改善するためにも、第三セクターと株主の両者にとって、より戦略的な株主へのリプレイスが求められています。

2 第三セクターの株式は、売却できるか?

2-1 売却プロセスは非上場株式と同じ

では、実際に第三セクターの株式は売却できるのでしょうか。答えは、売却可能です。

第三セクターの株式売却において注目すべきは、第三セクターの株式売却に関する法的規定はなく、社団法人や株式会社などそれぞれの法人形態に従った制度が適用されるということです。

つまり、株式会社の形態である第三セクターは、一般的な株式会社と同様の法規範が適用されることになるため、第三セクターの株式を売却する場合は、一般的な株式会社の非上場株式を売却するプロセスと同じ手順を経て売却することが可能になります。

ここで言う非上場株式とは、株式公開によって市場で取引価格が形成されていない株式のことを指します。上場株式であれば、証券取引所を通じて不特定多数の人から買主を探し出すことができますが、非上場株式は取引市場がないため取引所を通じた売却をすることができません。そのため、非上場株式を売りたい場合は、具体的な買い手を自分で見つける必要があります。

2-2 第三セクター株式を売却するときの注意点

株式会社の形態である第三セクターの株式を売却する場合、株式を発行した第三セクター(発行会社)に買い取りを要求するというのも一つの手段です。しかし現行の会社法では、発行会社(第三セクター)は株主からの買い取り要求の申し入れに従う義務はありません。

市場を通じた売却をすることができず、第三セクター側に買い取ってもらうことも難しい場合、第三者から買い手を探し出すことになります。しかし、第三セクターの株式の流動性の低さ、また少数持分であることなどから具体的な買い手を見つけ出すことは極めて困難です。

また仮に、買い手候補が見つかったとしても譲渡価格の決定、さらに対象株式が譲渡制限株式である場合は、譲渡承認手続等が必要で、クロージングまでは多くのステップが求められます。

3 おわりに

このように、第三セクターの株式を売却しようと考えた場合、買い手の探索から譲渡価格の決定、譲渡手続きを経たクロージングに至るまでを専門的な知識なく行うのは非常に難易度が高いです。

この点、NGSパートナーズは、独自のネットワークを活かし、第三セクターの株式など非上場株式の少数株主持分の流動化支援に豊富な実績を有しております。保有比率に関わらず、非上場株式の流動化は、NGSパートナーズまで是非ご相談ください。

記事協力

幸田博人

1982年一橋大学経済学部卒。日本興業銀行(現みずほ銀行)入行、みずほ証券総合企画部長等を経て、2009年より執行役員、常務執行役員企画グループ長、国内営業部門長を経て、2016年より代表取締役副社長、2018年6月みずほ証券退任。現在は、株式会社イノベーション・インテリジェンス研究所代表取締役社長、リーディング・スキル・テスト株式会社代表取締役社長、一橋大学大学院経営管理研究科客員教授、京都大学経営管理大学院特別教授、SBI大学院大学経営管理研究科教授、株式会社産業革新投資機構社外取締役等を務めている。

主な著書

『プライベート・エクイティ投資の実践』中央経済社(幸田博人 編著)
『日本企業変革のためのコーポレートファイナンス講義』金融財政事情研究会(幸田博人 編著)
『オーナー経営はなぜ強いのか?』中央経済社(藤田勉/幸田博人 著)
『日本経済再生 25年の計』日本経済新聞出版社(池尾和人/幸田博人 編著)

 

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