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2020年6月4日

ファンド持分流動化、未上場株式流動化のためのセカンダリー市場とは

1 重要になってきたファンド持分、未上場株式の流動化

長引く低金利によって株式や債券などへの伝統的な資産クラスに対する投資リターンが低下し、日本においてもベンチャー・キャピタル(VC)やバイアウト・ファンド、ヘッジファンドなどの商品に投資するオルタナティブ投資が拡大してきました。しかしファンドへの投資の多くは10年程度の運用期間を要するケースが大半であり、その間の解約は原則不可能となっています。

ところが、昨今の金融市場の変動に伴い投資先ファンドの成果も不安定さが増しており、一度投資を行った資金を別の運用手法に変更したい、規制強化や法的ルール変更などによるリスクウェイトを下げたいなど、流動化ニーズが増えています。

また、VCやバイアウト・ファンド、事業会社等が保有する未上場株式(プライベート・エクイティ:PE)についても、ファンド期限内に上場の目処が立たない、想定していたシナジーが見込めない等の観点から、上場以外の投資回収(EXIT)ニーズが増加しています。

こうした状況の中、これまで海外を中心に拡大してきたファンド持分、未上場株式の2次流通市場(いわゆる、プライベート・エクイティ(PE)のセカンダリー市場)が日本でも重要になってきました。

今回は、ファンド持分、未上場株式の流動化のためのセカンダリー市場が果たす意義について説明していきます。

2 ファンド持分、未上場株式流動化ニーズの具体例とセカンダリー市場の登場

上記でも述べたように、ファンド持分や未上場株式を流動化させたいというニーズは数多くあります。ここでは、事業会社と機関投資家のケース別に、いくつか具体的な流動化ニーズの事例を紹介したいと思います。

2-1 事業会社からの流動化ニーズ事例

まず事業会社の場合、下記のような事例が想定されます。

・市場の情報収集や新規事業機会の検討などの目的でVCに投資をしてきたが、当初の目的がある程度達成され、加えて別の投資機会も検討したいことからファンド持分の売却を希望するケース。

・ファンドへの投資を行ってきたが、ファンドから要請された運用期限の再延長に応じられないため、ファンド持分を売却したいケース。

・自社でCVCを組成し国内の有望なスタートアップに出資(投資)を行ってきたものの、会社の方針が変わりCVCを整理することとなり、ポートフォリオ(保有している未上場株式)を売却したいというケース。

・過去、取引上のシナジーを見込み未上場企業にマイノリティ出資したが、現在は取引がなくなり、事業の選択と集中という観点から、未上場株式(少数持分)を売却したいというケース。

2-2 機関投資家からの流動化ニーズ事例

次に、機関投資家の場合は下記のような事例が想定されます。

・資産運用を目的としてVCファンドへ投資を行ってきたものの、当初見込んだほどの成果が出ず、運用先を別の資産に変更したいためファンド持分を売却したいというケース。

・資産運用目的でファンドに出資してきたが、金融機関の規制強化や法的ルール変更などによるリスクウェイトを下げる観点から、ファンド持分の流動化を希望するケース。

2-3 流動化ニーズに応えて登場したセカンダリー市場

このような、様々な流動化ニーズを満たすために生まれたのがファンド持分や未上場株式のためのセカンダリー市場(Private Equity Secondary Market:PEセカンダリー市場)です。1984年にアメリカのVCFAが$6M(約6億円)でセカンダリーファンドを設立したのがPEセカンダリー市場の始まりと言われています。

3 ファンド持分、未上場株式流動化のためのセカンダリー市場(PEセカンダリー市場)が果たす役割

3-1 PEセカンダリー市場とは何か

ここで改めてPEセカンダリー市場とは何か、その定義を確認したいと思います。PEセカンダリー市場とは、機関投資家や事業会社などのリミテッド・パートナー(LP)投資家、個人株主等が保有するファンド持分や未上場株式を現金化し、流動性を提供する流通市場、二次市場のことを指します。

事業会社等が新たに発行した証券を、直接(または仲介者を通じて)投資家が取得する市場は「プライマリーマーケット(発行市場、一次市場)」と呼ばれ、セカンダリー市場と区別されています。

未上場株式のセカンダリー取引を主力とするカナダの独立系投資銀行Setter Capitalのレポートによると、PEのセカンダリー取引は、年々拡大しており、2019年のPEのセカンダリー取引はグローバルベースで$77.8B(778億ドル)に達したとされています。

しかし日本においては、この分野に専門性を有するプレーヤーはいるものの、欧米と比較するとその規模も数もまだまだ少ないというのが実情です。

3-2 PEセカンダリー市場のメリット

セカンダリー市場が充実することのメリットは、資金のエコシステムができることにあります。確かなEXIT先があるからこそ、プライマリーでお金が集まるという循環が生まれます。

当たり前ですが、一度投資したらずっと塩漬けになるような環境では、新たな投資は生まれません。セカンダリー市場が活性化することが、日本のスタートアップを含む数多くの企業活動を強くすることにつながるのです。

おわりに

NGSパートナーズは、保有比率に関わらず、法人・個人が保有する未上場株式、ファンド持分の流動化を支援するセカンダリー・エージェントです。未上場株式、ファンド持分の流動化にお困りの際は、NGSパートナーズにお任せください。

記事協力

幸田博人

1982年一橋大学経済学部卒。日本興業銀行(現みずほ銀行)入行、みずほ証券総合企画部長等を経て、2009年より執行役員、常務執行役員企画グループ長、国内営業部門長を経て、2016年より代表取締役副社長、2018年6月みずほ証券退任。現在は、株式会社イノベーション・インテリジェンス研究所代表取締役社長、リーディング・スキル・テスト株式会社代表取締役社長、一橋大学大学院経営管理研究科客員教授、京都大学経営管理大学院特別教授、SBI大学院大学経営管理研究科教授、株式会社産業革新投資機構社外取締役等を務めている。

主な著書

『プライベート・エクイティ投資の実践』中央経済社(幸田博人 編著)
『日本企業変革のためのコーポレートファイナンス講義』金融財政事情研究会(幸田博人 編著)
『オーナー経営はなぜ強いのか?』中央経済社(藤田勉/幸田博人 著)
『日本経済再生 25年の計』日本経済新聞出版社(池尾和人/幸田博人 編著)

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