非上場企業の少数株式の流動化支援、株主構成・資本政策の課題解決

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非上場企業の少数株式の流動化支援、株主構成・資本政策の課題解決

2026年9月14日

「何から始めればいいか分からない」が最大の壁だった ~ 非上場企業の少数株式の売却で最初に確認したいこと

はじめに

「非上場企業の少数株式を売却したいと思っても、何から始めればよいのか分からない」

非上場企業の少数株式を保有している方にとって、こうした悩みは珍しいものではありません。

日本成長支援パートナーズが、非上場企業の少数株式の保有経験者326名を対象に実施したアンケート調査では、非上場企業の少数株式の売却を検討した際に困ったこととして、「何から始めればいいか分からない」という回答が最も多く挙げられました。

上場株式であれば、証券会社を通じて市場で売却することができます。

一方、非上場株式には一般的な売買市場がありません。

当然決まった株価があるわけでもなく、売却先も自分で探す必要があります。

さらに、少数株主は、経営に携わっていないケースも多く、会社の詳しい状況や株式価値を検討するための情報を十分に持っていないこともあります。

そのため、「売却したい」という意思はあっても、最初に何を確認し、どのように進めればよいのか分からず、具体的な行動に移せないことがあります。

本コラムでは、アンケート結果をもとに、なぜ非上場企業の少数株式の売却は「何から始めればいいか分からない」と感じやすいのか、その理由を整理したうえで、売却を検討する際に最初に確認しておきたいポイントを解説します。

1. なぜ非上場企業の少数株式の売却は「何から始めればいいか分からない」のか

非上場株式には一般的な売買市場がないため、上場株式と比べて売却の方法が分かりにくいという特徴があります。

さらに、経営権を持たない少数株主の場合には、会社の詳しい状況や株式価値を検討するための情報を十分に持っていないこともあります。

また、会社全体を売却するM&Aとは異なり、少数株式だけを購入したいと考える買い手は限られます。

仮に買い手候補が見つかったとしても、譲渡制限がある場合には発行会社の承認が必要になるなど、株主自身の判断だけでは売却を進められないこともあります。

そのため、非上場企業の少数株式を売却しようとすると、具体的には次のような疑問が生じます。

(1)いくらで売れるのか、いくらで売ればよいのか分からない

非上場株式には、上場株式のような証券取引所で日々形成される市場価格がありません。

そのため、自分が保有している株式にどの程度の価値があるのか、また、実際にいくらで売却できるのかを判断することが難しいという問題があります。

さらに、非上場株式には複数の評価方法があり、親族間での取引か、第三者との取引かによっても、株式価値の考え方や評価方法が異なります。

(2)誰に売ればよいのか分からない

非上場株式には、上場株式のように多数の買い手が参加する市場がありません。

売却先としては、発行会社、経営者や既存株主、外部の第三者などが考えられますが、どの売却先が適しているのかは、株主の状況や発行会社の意向などによって異なります。

また、売り手が自ら買い手候補を見つけたとしても、その買い手への売却を発行会社が承認しないこともあります。

(3)発行会社にどのように話をすればよいのか分からない

非上場株式の売却では、発行会社との関係も重要になります。

特に、親族が経営する会社、勤務先や元勤務先などの株式を保有している場合、「株式を売却したいと伝えることで、会社(経営陣)との関係が悪くなるかもしれない」と不安を感じる方もいます。

実際に、当社にご相談いただく少数株主の方からも、発行会社に株式の売却について相談したところ、

  • ・「親族なのに株式を売却するのはおかしい。裏切るのか」と強く反発された
  • ・発行会社から想定していたよりも大幅に低い買取価格を提示され、「他に買い手がいないことを理由に、足元を見られているのではないか」と感じた
  • ・「検討する」と言われたまま、何か月経っても具体的な回答がない
  • ・最初は社長(親族)が直接対応していたものの、途中から総務部が窓口となり、社長とは直接話ができなくなった(社長に避けられている)。
    その後は「確認する」「検討する」といった回答が繰り返され、具体的な話が進まなくなった。

といったお話を伺うことがあります。

もちろん、発行会社に相談することで円滑に売却が進むケースもあります。

一方で、発行会社の考え方やこれまでの関係性によっては、売却の相談をきっかけに関係が難しくなったり、話がなかなか進まなくなったりすることもあります。

そのため、「まずは発行会社に相談すればよい」と単純には考えにくい側面もあります。

このように、非上場企業の少数株式の売却では、「価格」「売却先」「発行会社との関係」など、複数のことを総合的に考える必要があります。

これが、「売却したいが、何から始めればいいか分からない」と感じる大きな理由の一つと考えられます。

2. まずは「自分がどのような株式を保有しているのか」を確認する

では、非上場企業の少数株式を売却したいと思った場合、何から始めればよいのでしょうか。

まず確認しておきたいのが、自分が保有している株式の状況です。

  • ・どういった会社の株式を何株保有しているのか発行済株式総数に対して、どの程度の割合を保有しているのか
  • ・どのような経緯で取得した株式なのか
  • ・発行会社の決算書や株主名簿など、会社の状況が分かる資料を持っているか

これらを最初からすべて把握している必要はありません。

まずは分かる範囲で情報を整理することで、その後に「どの程度の価値があるのか」「誰に売却できるのか」といったことを検討しやすくなります。

3.発行会社に相談する前に、専門家に相談することも一つの方法

自分が保有している株式について、分かる範囲で情報を整理できたら、次に株式価値や売却価格まで自分で判断する必要はありません。

「できればこのくらいの金額で売却したい」という希望を持つこと自体は問題ありませんが、非上場株式には市場価格がなく、実際の売却価格は、売却先や取引の状況などによっても変わります。

そのため、十分な情報がない段階で具体的な売却価格を決め、その金額を前提に売却を進めようとすると、かえって売却の選択肢を狭めてしまうこともあります。

また、「まずは発行会社に相談してみよう」と考える方もいるかもしれません。

もちろん、発行会社への相談によって円滑に売却が進むケースもあります。

一方で、第1章で紹介したように、発行会社の考え方やこれまでの関係性によっては、売却の相談をきっかけに関係が難しくなったり、話がなかなか進まなくなったりすることもあります。

そのため、発行会社に売却の意思を伝えたり、具体的な売却条件を決めたりする前に、非上場企業の少数株式の売却に詳しい専門家に相談し、どのような進め方が考えられるのかを整理しておくことも一つの方法です。

すべての情報がそろい、売却価格や売却先まで決まっていなければ、売却を検討できないわけではありません。

売却を急ぐ事情がなければ、慌てて発行会社に相談したり、具体的な行動を起こしたりする必要もありません。

まずは、自分が保有している株式について、現在分かっている情報や手元にある資料を整理し、どのような形で売却を進めたいのか、方向性を整理してから動き始めることも大切です。

日本成長支援パートナーズでは、「非上場企業の少数株式を売却したいが、何から始めればよいのか分からない」という段階から、売却に関するご相談をお受けしています。

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記事協力

幸田博人

1982年一橋大学経済学部卒。日本興業銀行(現みずほ銀行)入行、みずほ証券総合企画部長等を経て、2009年より執行役員、常務執行役員企画グループ長、国内営業部門長を経て、2016年より代表取締役副社長、2018年6月みずほ証券退任。現在は、株式会社イノベーション・インテリジェンス研究所代表取締役社長、リーディング・スキル・テスト株式会社代表取締役社長、一橋大学大学院経営管理研究科客員教授、京都大学経営管理大学院特別教授、SBI大学院大学経営管理研究科教授、株式会社産業革新投資機構社外取締役等を務めている。

主な著書

『プライベート・エクイティ投資の実践』中央経済社(幸田博人 編著)
『日本企業変革のためのコーポレートファイナンス講義』金融財政事情研究会(幸田博人 編著)
『オーナー経営はなぜ強いのか?』中央経済社(藤田勉/幸田博人 著)
『日本経済再生 25年の計』日本経済新聞出版社(池尾和人/幸田博人 編著)

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