非上場企業の少数株式の流動化支援、株主構成・資本政策の課題解決

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非上場企業の少数株式の流動化支援、株主構成・資本政策の課題解決

2026年9月17日

非上場株式はいくらで売れる?売却価格の考え方と決まり方

はじめに

「保有している非上場企業の少数株式は、いくらで売れるのだろうか」

非上場企業の少数株式の売却を検討する際、このような疑問を持つ方は多いのではないでしょうか。

日本成長支援パートナーズが、非上場企業の少数株式の保有経験者326名を対象に実施したアンケート調査では、非上場株式の売却にあたって必要だと思う支援として、「株式価値の算定」が30.1%と最も多く挙げられました

上場株式であれば、証券取引所で日々売買されているため、その時点の株価を確認することができます。

一方、非上場株式には、そのような市場価格がありません。そのため、「この株式はいくら」と最初から一つの価格が決まっているわけではありません。

また、一定の方法で株式価値を算定したとしても、その金額で実際に売却できるとは限りません。

では、非上場企業の少数株式を実際に売却する場合、その価格はどのように考え、決まっていくのでしょうか。

本記事では、非上場株式の評価方法そのものではなく、実際の売却における価格の考え方や、売却価格が具体化していく過程について解説します。

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1. 非上場株式には上場株式のような「市場価格」がない

非上場株式には、上場株式のように日々の取引によって形成される市場価格がありません。

そのため、売却価格を検討する際には、発行会社の財務状況や収益力、保有する資産、今後の成長性などをもとに、個別に株式の価値を考える必要があります。

ただし、こうした情報をもとに算定された株式の評価額が、そのまま実際の売却価格になるとは限りません。

例えば、純資産が10億円の会社の株式を10%保有しているからといって、その株式を必ず1億円で売却できるわけではありません。

実際の売却価格には、会社の収益力や資産内容だけでなく、保有する株式の割合や配当の状況、今後の成長性、誰が買い手になるのかなど、さまざまな要素が関係します。

また、相続や贈与などの際に用いられる税務上の評価額と、実際に売買する際の価格も、必ずしも同じではありません。

つまり、非上場株式には最初から一つの「売却価格」が決まっているわけではなく、株式の評価額についても、売却価格を検討するための材料の一つとして考えることが大切です

2. 売却価格を考えるうえで確認したいポイント

非上場株式の売却価格を考える際には、一つの数字や指標だけを見るのではなく、発行会社や保有する株式について、いくつかのポイントを確認することが大切です。

① 発行会社の財務状況・収益力

まず確認したいのが、発行会社の財務状況や収益力です。

売上や利益の推移、純資産の状況に加えて、現預金や有価証券、不動産などの保有資産、借入金なども株式価値を考えるうえで重要な要素となります。

また、過去の実績だけでなく、今後どの程度の収益が期待できるのかという点も、株式価値を考えるうえでは重要です。

② 保有する株式の割合

同じ会社の株式であっても、どの程度の割合を保有しているかによって、その株式の持つ意味は異なります。

例えば、保有割合によって、株主として行使できる権利や会社に対する影響力も異なります。

そのため、会社全体の株式価値に持株比率を掛ければ、そのまま売却価格になるとは限りません。

③ 配当の状況

配当の有無や過去の配当実績も、株式の価値を考えるうえで確認したいポイントです。

特に少数株式の場合、会社の経営に直接関与しない株主にとって、配当は株式を保有することで得られる経済的な利益の一つとなります。

④ 誰が買い手になるのか

非上場株式の売却先としては、発行会社や既存株主のほか、外部の第三者が買い手となることもあります。

買い手によって、株式を取得する目的や発行会社に対する評価は異なるため、誰が買い手になるのかも、実際の売却価格を考えるうえで重要です。

こうした点を確認するため、まずは直近の決算書・計算書類、株主総会の招集通知、持株比率や配当実績が分かる資料など、手元にある資料を確認してみましょう。

すべての資料を最初から揃える必要はありません。まずは手元にある情報から整理していくことが大切です。

3. 発行会社から価格を提示された場合も、その内容を確認することが大切

非上場株式の売却を検討する際、まず発行会社に買い取りを相談し、発行会社から価格を提示されることがあります。

もちろん、その価格や条件に納得できれば、発行会社への売却を進めることも一つの選択肢です。

一方で、価格を提示されたからといって、必ずその価格で売却しなければならないわけではありません。

まずは、どのような考え方や根拠に基づいて提示された価格なのかを確認し、発行会社の財務状況や収益力、資産内容なども踏まえて検討することが大切です。

また、売り手が希望する価格で必ず売却できるわけでもありません。

売り手と買い手のどちらか一方の希望だけで価格を考えるのではなく、客観的な材料を確認しながら、双方が納得できる価格や条件を検討していくことが大切です。

なお、非上場株式の売買では、売り手と買い手の関係や取引価格などによって、税務上の取り扱いが異なる場合があります。

そのため、価格を検討する際には、必要に応じて税務面についても確認しておくことが重要です。

4. 売却価格は、具体的な買い手が出てくることで少しずつ具体化する

非上場株式の売却を検討する際、最初から「○円以上でなければ売却しない」と希望価格を決めておく必要はありません。

むしろ、早い段階で価格を固定してしまうことで、売却先や進め方の選択肢を狭めてしまう可能性もあります。

まずは、発行会社の財務状況や保有する株式の割合など、価格を検討するために必要な情報を整理します。

そのうえで、具体的な買い手候補が出てくることで、売却価格やその他の条件も少しずつ具体化していきます。

買い手によって、株式を取得する目的や発行会社に対する評価は異なります。また、過去の財務情報だけでなく、発行会社の事業内容や今後の成長性などをどのように評価するかによっても、価格は変わります。

そのため、最初に売却価格を一つに決めるのではなく、具体的な買い手候補との検討を進めながら、売り手・買い手の双方が納得できる価格や条件を探っていくことが大切です。

5. 外部の第三者への売却では、発行会社との相互理解も重要

外部の第三者が買い手となる場合、買い手が過去の決算書などの情報だけで取得を判断するとは限りません。

買い手としては、発行会社がどのような事業を行っているのか、今後どのような成長を目指しているのか、経営陣が会社の将来をどのように考えているのかなどを理解したうえで、株式の取得を検討することが大切です。

そのため、売却を検討する過程で、買い手候補と発行会社の経営陣が面談することもあります。

面談では、事業内容や事業計画、今後の成長性、株主政策などについて確認し、買い手側が発行会社への理解を深めていきます。こうした情報も踏まえながら、具体的な取得条件や価格が検討されることになります。

一方、発行会社にとっても、どのような相手が新たな株主になる可能性があるのかを知る機会となります。

外部の第三者への売却では、売り手と買い手だけで話を進めるのではなく、発行会社との相互理解を図りながら進めていくことも大切です。

まとめ

非上場株式には、上場株式のように日々の取引によって形成される市場価格がありません。

そのため、発行会社の財務状況や収益力、資産内容、保有する株式の割合などをもとに株式価値を検討することになりますが、算定された評価額がそのまま実際の売却価格になるとは限りません。

また、売却を検討する最初の段階で、「いくら以上でなければ売却しない」と価格を決めておく必要もありません。

まずは、発行会社や保有する株式について客観的な情報を整理し、その後、具体的な買い手候補との検討を進める中で、売却価格や条件も少しずつ具体化していきます。

外部の第三者への売却では、必要に応じて発行会社との面談などを通じて相互理解を深めながら、売り手・買い手の双方が納得できる価格や条件を探っていくことが大切です。

「保有している非上場企業の少数株式がいくらで売れるのか分からない」という段階でも、売却について検討を始めることは可能です。

日本成長支援パートナーズでは、非上場企業の少数株式の売却について、株式価値の検討から売却先の探索・調整まで一貫してサポートしています。

非上場株式の売却についてお悩みの場合は、お気軽にご相談ください。

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記事協力

幸田博人

1982年一橋大学経済学部卒。日本興業銀行(現みずほ銀行)入行、みずほ証券総合企画部長等を経て、2009年より執行役員、常務執行役員企画グループ長、国内営業部門長を経て、2016年より代表取締役副社長、2018年6月みずほ証券退任。現在は、株式会社イノベーション・インテリジェンス研究所代表取締役社長、リーディング・スキル・テスト株式会社代表取締役社長、一橋大学大学院経営管理研究科客員教授、京都大学経営管理大学院特別教授、SBI大学院大学経営管理研究科教授、株式会社産業革新投資機構社外取締役等を務めている。

主な著書

『プライベート・エクイティ投資の実践』中央経済社(幸田博人 編著)
『日本企業変革のためのコーポレートファイナンス講義』金融財政事情研究会(幸田博人 編著)
『オーナー経営はなぜ強いのか?』中央経済社(藤田勉/幸田博人 著)
『日本経済再生 25年の計』日本経済新聞出版社(池尾和人/幸田博人 編著)

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